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かた21動物病院

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質問箱

抜け毛のケアー(処理)」どうするの? Q30601

せっかく夏毛に生えそろったのに・・・と思ったら、今度はフローリングに毛のワタ山??春と秋には、これは仕方が無いことでしょうか。
ワタ山ができる前に、することが何かありますか?

トイプードル メス 2年目の秋さん

はい、抜け毛、毛の生え変わりに関する御質問ですね。
まず、犬の種類の中ではプードルは比較的に抜け毛の少ない品種なのですが、季節の変わり目にはたくさん抜けるのですね。

確か、歌謡曲(中条きよしの歌)に「♪季節の変わり目を~、あなたの心で知るなんて」と言うのがありましたよね。その昔、カラオケでよく歌った曲なので「季節の変わり目」と言うフレーズが出ると、私の頭の中にはこのメロデイーが出てくるのです。そして毛達は私の頭から団体で去っていったのです。(すみません、ツイこのメロデイーでセンチメンタルになってしまいました。私の髪の毛の話ではなく、あなたの犬の抜け毛の話でした。)

あなたの犬の脱毛の話に戻ります。

質問の内容整理

御質問では毛のワタ山と表現されているので、この二次毛がたくさん抜けた。また季節的(春と秋)という表現もありますので、正常な毛周期である年2回程度の季節的換毛と解釈されます。
ですから、回答内容は季節的換毛〔毛の生え変わり〕のケアーと言うことになりますので、一般論で回答いたします。
注:正常な毛周期とは毛の成長期(伸長する)、退行期、休止期(伸長しない)というパターンを繰り返していく毛周期で、休止期から次の成長期に入ったときに毛が抜ける変化、すぐに下から新しい毛が生えてくる。日本の犬では一般的に年2回起きる。

毛の構成、毛包単位

犬の体毛を良く見るとしっかりした比較的に長い一本の毛(主毛または一次毛)と、その周りに複数本ある細い毛(副毛または二次毛)の2種類の毛があります。そして1個のアポクリン腺、1個の皮脂腺と立毛筋で構成されていて毛包単位と医学的に呼んでいます。一次毛は上毛(トップコート)、二次毛はまた下毛(アンダーコート)とも一般的には呼ばれています。
但し、毛の構造(毛包単位)は犬種によってかなりの違いがあります。日本犬の柴犬、北方犬種のサモエドやシべりアン・ハスキーなどは二次毛が発達していて夏毛・冬毛の換毛が顕著ですが、逆にあなたの犬トイプードル種は毛包単位が先の北方犬種とは構造学的に違い季節的換毛の起こりにくい毛の抜けにくい犬種とされています。
ですからあまりにも季節的換毛が激しい場合には皮膚を良く見てください。湿疹が出来ている場合が多いです。またホルモン性の病気である場合も考えられます。また、栄養バランスが崩れていることも考えられます。この辺のところは病的現象ですので別の機会に説明いたします。

季節的換毛(毛の生え変わり)のケアーどうしたらいいの?

基本的にはシャンプーを含む皮膚と毛の日々の手入れと言うことに尽きますが、ここでは季節的換毛に対するこの時期の特別な処置に付いてお話いたします。

どんな道具を使って、これを処理するか。

  1. スリッカーとコームによるブラッシング。
    最もオーソドックスなタイプの抜け毛処理の道具です。スリッカーは少しクッションのあるソフトタイプが使用しやすい。またサイズは特大を使用する。小さい犬でも左半分、右半分で使用します。
    取れた毛をスリッカーから取り外すときに、指先を傷つけるので「金属コーム(金くし)」で、スリッカーのワイヤーに絡まりついた抜け毛をすき取ります。
    プードルは、もともとカールドヘアー(巻き毛)であるため、日頃より週一回程度のペースでブラッシングをしてやり、毛を立たせておきます。シャンプーをする前と、した後の乾かすときにも、特に念入りにしてやってください。これを怠ると毛玉が出来ます。
    かわいいプードルを飼っているのですから、このことは重要なことなのですよ。
  2. ファーミネーターを使用する。
    ファーミネーター

    ファーミネーター

    最近、ファーミネーターという無駄毛取り用の道具が発売されています。バリカンの様な刃が付いた小さな手鍬のような道具で、この「季節性の大量抜け毛処理」には、とっても重宝さんで、プロのトリマーさんが使用している優れものです。(写真参照)
    ファーミネーター注意点は、どんどん毛が取れます。適当な頃合で止めないと、力の入れ具合で皮膚に傷が付いて腫れ上がります。プロ用品です。
  3. ピロコームを使用する。
    変形コームの一種で、握って使用する小さい熊手のよな道具で、長めの先の曲がったコームピンが少しバネのようになっていて、アンダーコートに引っ掛けて、抜け毛を取る道具です。毛の置くまでピンが入るので、結構取れますが、日常管理程度の道具です。毛深い犬種に使用できます。
  4. シェッドバスターを使用する。
    ファーミネーターとコームを組み合わせた道具です。使いやすさ便利さがありますが、プロの道具としてはもうひとつです。

どうして季節的換毛が起こるのか?

日本では一般にこの季節的換毛は年2回起こるとお話しました。春と秋です。正常な毛のその周期は成長期→退行期→休止期→成長期との毛周期があるとも話しました。健康な成長期の毛の根っこには毛乳頭が形成されていて、その周辺に多くの毛母細胞があって細胞分裂をしていて毛を成長、再生させています。休止期から再び成長期に転換された時に毛の再生が始まり古い毛が抜けていくのです。
一つの毛包単位と隣あう毛包単位ではその毛周期パターンに違いがあり、全体が一度に抜け落ちることが無いのです。換毛(毛周期)のサイクルが短いと言うことは、毛の成長期が短いと言うことです。逆に毛周期が長いと言うことは、その成長期が長く抜け落ちる毛が少ないと言うことになります。
また夏には成長期の毛包単位が多くなり全体の50%程度が休止期の毛ということになり秋の抜け毛が少なくなります。しかし冬には休止期の毛包単位が多くなり全体の90%にもなります。つまり春に休止期から成長期に転換するも毛包単位が多くなり秋と比べてかなりの毛が抜落ちてしまうことになります。
毛の生え変わりは温度変化だと思っている方が多いのですが実際は光の周期のほうが強く影響を与えています。しかし単独の条件現象ではなく栄養(特にアミノ酸)や内分泌(甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンや女性ホルモン)の状況が絡んでいます。

うまい季節性換毛とのお付き合い。

生理的に発生するので、上手にお付き合いしましょう。

  1. バランスの良い食事を与えましょう。
  2. 季節の変わり目には少し発毛に役立つ栄養剤を与えましょう。
  3. 野外へのお散歩をしっかりさせてやり、季節それぞれのはっきりとした、光のシャワーを浴びさせましょう。
  4. 皮膚の摩擦(皮膚の下にある皮筋を動かす)やスリッカーで毛のブラッシングをしてあげましょう。
  5. シャンプーをこまめにしてあげましょう。
  6. 抜け毛が始まったら湿疹が無いかをチエックしましょう。
  7. 季節性換毛のケアーをマスターしましょう。
  8. これからもこのコーナーをよく読んで、お勉強をしましょう。(チョッとそれどういうこと?)