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かた21動物病院

人とペットの良好な関係を願う

質問箱

去勢・避妊手術は「絶対」必要か? Q30801

かた先生の書いた去勢・避妊手術のメリット・デメリットを読みました。
家のチョッパー(M.ダックス・雄)も1歳になりました。以前より行動が雄犬らしくなっていることを日々感じています。それでここんところ悩んでいるのですがつまり去勢手術を受けるべきか?どうか迷っているのです。
正直言って、私も男性ですので、同姓のものとして去勢手術なんぞをさせたくないのが本音です。去勢手術は受けなければいけないのでしょうか?
かた先生の意見をお聞きしたい。

福岡市 チョッパ-の父

ウム~、鋭い質問です。
このことは、ニャンやワンを飼った人なら誰でもが悩む問題です。オスへの去勢手術であろうと、メスへの避妊手術であろうと、このことをズバッと割り切れる方は20%ぐらいの飼い主さんだけです。残りの80%の飼い主さんはそのことをタメライずうっと悩み続ける問題なのです。
メス猫の飼い主の場合そのニャンに発情が来てメス猫特有の「ギャーギャー」と言う鳴き声を発するようになってきてスプレー行為が始まったときに、またオス猫の飼い主の場合同様に「ギャオウーギャオウー」の雄叫びが始まり、所かまわずスプレーをしまくり始めたときにあわてて手術の決断をされる方がほとんどです。
その点ワンの飼い主さんの場合には繁殖期における動物の反応が多少とも穏やかなので、ニャンの飼い主さんよりは不妊の手術に至る決断が鈍るケースが多いと言えます。同性として、家族として、父の権威として、その決断を下したことによって娘に嫌われないかとの懸念もあって迷い揺れるそのお気持ちは良くわかります。
しかし、かた先生は貴方がどちらかの一方に決断できるように貴方の抱える難問にお答えしたいと思いますので次のように要点を整理しました。

  • 手術を受けることによるメリットとしての病気予防、性格や行動改善の問題についてはここでは触れません。貴方は既に私の書いた”去勢・避妊手術のメリット・デメリット”を呼んで頂いているからです。
  • 逆に手術を受けなかったことによる問題点はオス、メスとも次の項目に絞れると思います。

オスなら

  1. オシッコを、あっちこっちにヒッカケル。ニャンならスプレー行為を過度にする。
  2. 多少、気が荒い。
  3. 繁殖期には外に出たがる。
    ニャンなら「ギヤオウーギャオウー」の雄叫びをする。
  4. 人前でも腰を振りオチンチンを出す等のハレンチ行為をする。

メスなら

  1. 発情期に陰部よりの出血がある。
    ニャンならスプレー行為を過度にする。
  2. 繁殖期に外に出たがる。
    ニャンなら「ギャーギャー」と騒ぐ。
  3. 妊娠して子どもを作る。

これらの事を、飼い主が管理し、しつけをし、うまくコントロールができるかどうか?と言うことなのです。
つまり手術を受けるか、否か?の重要ポイントはこれらの人の社会にとって好ましくない問題を貴方がどこまで我慢できるか?と言うことです。もし貴方が我慢できるなら、手術を受ける必要などありません。捨てられて、殺処分される犬や猫が増えているから避妊手術や去勢手術を受けなさいと言う呼びかけで手術を考えるのは間違っています。
貴方は犬猫を捨てる人ではないからです。自分と自分のペットにとってどういうメリットがあるか?で判断してください。人とペットとの良好な関係とは、もっと調和のある関係です。
加齢が進んで(年を取ってから)ホルモン性の異常から発生する病気がありますが、発症する確立はかなり低いものです。必ずその病気になると言うものでもありません。

人間社会のことを考えてみてください、男性も女性も動物の世界と同じように、ほぼ半数ずついます。
その昔のアラビアンナイトのお話のあった頃の、ハーレムや宮殿の特殊な場所にいる男性は去勢手術をされたと、本で読んだことがありますが、現代ではパイプカット手術を受けることがあっても、去勢〔睾丸摘出〕手術まですることは、特殊な病気の治療のためにする以外はありません。
男性であろうと女性であろうとほとんどの人々は睾丸や卵巣や子宮の摘出手術を受けないで一生を送るものです。それでも無事に天寿を全うしています。 
要は貴方の我慢の範囲なのかどうか?なのです。範囲内なら受けない。範囲外なら受ける。これでどうですか。
もちろん、私は獣医師ですから相談を受ければ手術を受けるようにお薦めいたしておりますが、私の犬はその種の手術を受けておりません(アッ!いらんことを言ってしまった!反省)。