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かた21動物病院

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質問箱

[ノミ の いる / いない 検査方法 と ノミの駆除方法] (Q:30112-01) 30112-01


[ノミ の いる / いない 検査方法 と ノミの駆除方法] (Q:30112-01)



Q: うちの小夏(猫2歳)が2週間ぐらい外に出たまま帰ってこなかったのです。 10日間ほど前に無事?帰ってきたので、それで一安心していたところです。 でも最近は体を痒がっていて、季節の変わり目だからかもしれませんが、何だか毛が良く抜けているような気がします。 ノミでも貰って来たのでしょうか? 黒いネコですので、見てもよくわからないのです、 動物病院に行った方が良いのでしょうか? 黒ネコでも「ノミがいるかどうか?」を、見分ける方法がありませんでしょうか?? お勧めの「ノミの駆除方法」もまとめて、かた先生の「教えて先生質問箱」お願いいたします。
北九州市 「黒ネコ千夏」のハハ

[ノミ の いる / いない 検査方法] (A:30112-01)

A: いま時分は、どこでも結構暖かくなっていて、年中「ノミ」はガンバっています。 「犬・猫がいたら、ノミは飛びついてくるものだ」と思った方が良いぐらいです。 また散歩や外に出る犬や猫は、3月から11月末頃までにかけては「ノミも旅行したいのでしょうネ」、ヒッチハイク気分で、犬ネコが来るとすぐに飛びついてきます。 この時期は、ノミも新天地開拓に必死です。 ちょっとでもチャンスがあれば見逃さず、大事なニャンやワンの体に飛び乗ってくるのです。 当然やつらは、なんの断りもなく乗り込むのですから「無賃乗車」と言うことになります。 毛の根をかき分けても、探し出し「見つけ次第、見せしめのため即刻死刑に処したかった」が、残念ながら黒毛に阻まれ、うまく見つけられなかった。 だからその方法を教えろ!!と言うのですね。
ハイ! 了解いたしました「教えて先生質問箱」承りました。

小夏ちゃんの様に、「①外で2週間もうろついている」とノミに感染するのは普通です。 まして帰ってきたときにノミの対応をしていない。 「②日頃からノミ予防をしていない」し、10日ほどたって「③痒がっていて、④抜け毛も多く感じる」 これらの症状は、「ノミ感染」を第一に考えるべきです。 すぐに動物病院に行ってノミ・ダニの駆除薬を買って、ノミ駆除対策を行うことをお勧めいたします。
尚、このケースでは「ノミ駆除剤をネコに付けるだけではなく、後対策(環境対策)も重要ですので、それも確実に実行する」ことを、お勧めいたします。

実際のところ、ノミは見つけにくいものです。 逆に、「ノミがネコの体から見つかると言うことは、かなり多くのノミがいる」ということにもなります。

幸いにも「毛の根を掻き分けて、ノミをうまく見つけ出せた時」には、すぐにモロ肌脱いで「ヤイ! このノミ野郎、よくもこのかわいい小夏の生き血を吸ってくれたな!! 世間の目をあざむく事が出来ても、この金さんの目はあざむけないのよ。 この金さんの桜吹雪を、よっく見やがれ!」ってな風にハシャイで見るのも楽しいものです。

しかし、「うまく見つけ出せない時」には、次のようにやってみてください。

「教えて先生質問箱」を始めます。 回答の順序・構成を表示します。
1. かた先生が教える [ノミの いる / いない] 検査方法。
2. なぜこの方法で「ノミがいる」と、わかるのですか?
3. ノミ駆除の「A: 理論」と「B: 対処方法」の実際。 当然、大変です。
4. 大変なことになる、その前に「予防」が大事。

1. かた先生が教える [ノミの いる / いない] 検査方法。

① 大きい白い厚紙を用意する。(大型カレンダーの裏側などを利用しても良い)
② 猫をその上に置き、ガサガサ毛をなでる。 逆毛方向に指を立ててゴシゴシやる。 「背中・両横側・お腹」とにかくゴシゴシやる。
③ 次に猫をのけて、白い厚紙の上に落ちた「フケのようなゴミ」を集める。 特に「黒っぽい小さな小片ゴミ」に注意する。
④ 小片ゴミに「霧吹きで水の霧」をかけ、シッカリと湿らせる。 3分間待つ。
⑤ 水のかかったゴミの部分が、褐色または赤くなってきたら「ノミ陽性」、つまり「のみがいる。しかも大量」にです。 言っときますが、「後が大変」です。

 

2. なぜこの方法で「ノミがいる」と、わかるのですか?

 え!! 「どういう理由でそうなるのですか?」ですって。 あなたは結構疑り深い人ですね。 ま~物事を論理的に正しく理解するということは良い事です。
 それは「その黒い小片が、ノミのウンコ」だからです。 つまりノミが小夏の血をお腹いっぱい吸ってウンコを出し、そのウンコの中身に血液成分が多量にあって、それに水をかけてもどしたので、血液成分が解け出てきて赤く染まったのです。 体をガサガサなでてもノミは落ちませんが、ノミのウンコは落ちてきます。 それを検出するのです。
捨て猫を拾ってきた方が、その子猫が汚れていたので洗面器にお湯を入れて、お風呂に入れてやったら水が赤くなった。 慌てて「どこかケガして出血しています。 すぐ診てください」と来院された方がいらっしゃいます。 一応、全身の皮膚の状況を確認しても傷はなかったので、「それはノミのウンコがいっぱい付いていたんです。 傷ではありませんので、すぐにノミの駆除をしましょう。」と言うような事が、捨て猫の多い季節(春や秋)の動物病院では時々あります。

3. ノミ駆除の「A: 理論」と「B: 対処方法」の実際。 当然、大変です。

A: ノミ駆除の理論と「ノミのライフサイクル」。
まず、ややこしいので反復を避けるため、下記の順序で解説いたします。
① ノミが犬・猫に付いてお家に入ったら、そのお家で卵を産みます。。
② 血を吸ったメスノミは、早ければ24時間で、遅くとも48時間以内に犬・猫の体から降りて、その部屋で産卵する。
③ あなたのお家でのノミの生活環(ライフサイクル)は、「成虫(5%)が産卵 ⇒ 卵(50%) ⇒ 幼虫(35%) ⇒ サナギ(10%) ⇒ 成虫」になって動物に飛び乗って血を吸う。 このようにしてノミは増殖して(増え続けて)いくのです。

 

④ 気温13度(℃)以上でこのノミのライフサイクルが活発化する。 条件が良ければ(梅雨から夏場)12~14日間で、春秋では3~4週間で、冬でも約180日間で一循環する。 ノミがいると言う事にあなたが「気付く」と言う事は、すなわち「このライフサイクルがすでに、お家の中で完成されている」という事なのです
⑤ ノミの成虫が5匹いたら、未成熟のノミ(卵・幼虫・サナギ)が95匹います。 つまり「成虫が5匹いたら ⇒ 全体で100匹」いるという事。 ほっておくとすぐに1,000匹、2,000匹単位に増えます。

 

⑥ ノミの成虫は、「瓜実条虫(うりざねじょうちゅう:サナダムシ)」の卵を持っています。
⑦ つまり、条虫にも感染してしまいます。 あとで、お尻からツナガッテ出てきます。 この条虫の駆除方法については、また別の機会に説明いたします。
⑧ その他にも、犬猫の皮膚に「皮膚炎」を、そして「あなたにも、かゆみを伴った皮膚炎・湿疹」を発生させます。

B: 「ノミ駆除(対処法)」の実際 (千夏のハハさんすぐに実行する事。)
① ノミの駆除剤を背中に塗布する。
 「ノミの成虫駆除対応と、ライフサイクルの遮断」。
 犬・猫の背中につける「スポットオンタイプ」の駆除剤を使用します。 成虫はもちろん・卵・幼虫・サナギにも効果があり、複数の薬剤(フィプローニル+メトプレン)が混合してある持続性のある駆除剤を使用してください。 「フロントライン・プラス」、「フイプロスポット・プラス」、または」マイフリーガード・アルファー」と言う名前のノミ・ダニ駆除薬です。 動物病院にある「動物用医薬品」です。
 この「ノミの駆除剤塗布処置」を、その後も毎月1回、最低でも連続6カ月間以上続ける必要があります。



② 2週間後に、家中(全ての部屋)の「殺虫剤燻蒸をし、掃除機」をかける。
今、お家にいる「ノミ成虫・卵・幼虫・サナギ」の殺虫・駆除。 まとめて「燻蒸」。
①の処置をして「10日目以降~2週間目までの間に、家中を殺虫剤燻蒸」を、する必要があります。 今すでにあなたのお家にいる何百・何千匹の「ノミの成虫・卵・幼虫・サナギ」にも対処しなくてはなりません。 家中を「殺虫剤での燻蒸」です。 「バルサム・ノミダニ用」、または「アースレッドW・ノミダニ用」を使用して、「家全体を燻蒸」しなければなりません。 それぞれの部屋の大きさに合わせて、薬剤を使用する必要があります。 薬局で購入してください。 そしてその後、掃除機でしっかり掃除してください。
 (注意) もちろん「殺虫剤・燻蒸中」には、人も含めてニャンやワン(動物)はベランダや「外に一時避難」していてくださいネ!! (2~3時間ぐらいかな?)。



③ 3週間後に「殺虫剤・燻蒸処置と掃除」を再実行する。
②の燻蒸をしてから、3週間後に「燻蒸・掃除機の作業」を再度行います。
ノミが家に繁殖生活環を築いた後には、それを遮断するためには「間隔3週間の、複数回の燻蒸処置」が必要です。 大変でしょう。

4. 大変なことになる、その前に「予防」が大事。

 家で繁殖してしまうと、「駆除は大変だ」ということが、分かったあなたに朗報です。 こんなことになる前に「毎月の予防が大事だ」ということです。
① 毎月背中に塗布する、スポットオンタイプ(「3-B-①」を参照)を使用する。
② 毎月、内服する「内服型ノミ・ダニ駆除剤」。
③ 3か月に1回内服する、「3か月持続型、内服型ノミ・ダニ駆除剤」。

「予防」 とはまさに 「一針は九針を省く」 と言う事ですネ。
「教えて先生質問箱」の、かた先生も「九針を省きたい」のです。
Q&A解答をアップするのには、かなりの(5日間ぐらい)時間がかかります。
これにて、一件落着。 今日はなぜか「遠山の金さん」風 でした。 
(おわり)