*

かた21動物病院

人とペットの良好な関係を願う

質問箱

続 ・ 良いウンコって、どんなウンコ? (うんこ すこあ 評価点表)Q10800-03 Q10800-03

 


     軟便 と 下痢便 の 境界線は?
 Q. 10800-03: 軟便と下痢便の境界線は?
「教えて先生」のコーナーは、面白く勉強になるので毎回楽しく拝見させていただいております。 最近、とんと更新がなかったので、ちょっと心配しておりました。 再開を、歓迎いたします。 今回、私も勇気を出して質問させていただきます。 以前「良いウンコって、どんなウンコ?」(Q&A10800-2)という質問が、このコーナーに書いてありました。  食べ物とウンコは関係があり「良いウンコは、フード選びから始まる」ということが、良く理解できました。 ところで欲を言うようですが、改めてお伺いいたします。 「良いウンコ」と「悪いウンコ」、特に「軟便と下痢便の差(境界線)」は、どういうところで判断すべきでしょうか? どのようなウンコの状況で、「病院行き」を考えたらよいのでしょうか? また、その時のうんこの状況を、どう表現したら良いのでしょうか? かた先生に「教えて先生質問箱」投稿です。
                       熊本市 T・N
 
A. 10800-03: 軟便と下痢便の境界線は?
私の「良いウンコ論」に、興味を持っていただきありがとうございます。 日々変化する「不安定なウンコ」ではなく、「良い安定したウンコ」を日々確認し続けることで、飼い主として「そのペットが健康である」と、自信を持つことにつながっていきます。
  その意味で、「良いウンコ」を毎日出せるフードが、その子にとって「良いフード」と言えるのです。 また、もしペットのコンディションに異常があることに、飼い主であるあなたが気付く場合、それは日々の「元気・食欲・オシッコ・ウンコ・歩様(歩く様子)」に、何らかの変化があるからこそ気付くわけですよね。 特にその内の「ウンコ」は、全身の状態はもちろん、とりわけ「消化管の異常」があるかどうかを判定する「指標」といえます。
 ですから、犬・猫にかかわらず、大事なペットの「ウンコ」の状態と、その安定を常に観察しておくことで、「そのペットの健康を維持し長寿を保つ」ことができるわけです。 これは結果として「あなたの健康と幸福を維持できる」ことにもなります。   
つまり、これが私の言う「人とペットの良好な関係を願う」と言うことなのです。           
 
逆に「ウンコ」に異常が発見された時、あなたはその原因がフード(おやつや拾い喰いを含む)によるものか、病気によるものかを判断して、動物病院に行くかどうかを決定すれば良いのです。 しかし、実際問題として私のグループの病院群の調査でも、犬・猫の「下痢・軟便」を呈して来院した患者の、その原因の40~45%ぐらいが、「飼い主が、良かれと思って与えたフード(食べ物)が原因であった」と考えられています。
だから、「フード(おやつを含む)選び」と「ウンコの観察」は、あなたとペットとの良好な関係を保つ意味で重要なことなのです。

「教えて先生質問箱」始めます、回答の順序・構成を表示します。
1. 「良いうんこ」とは?
2. 「軟便」と「下痢便」の差(境界線)。
3. 「うんこすこあ」(うんこ評価点表)と、その使い方。
それでは、回答承ります。

1. 「良いウンコ」とは? 
さて、前回の「良いウンコって、どんなウンコ? くだらない話? くだる話?」の要約を、再度ここに述べておきます。

良いウンコとは、「飼い主に恥をかかせないうんこです」。 それは・・・
① 手でつまむと地面に少し湿気は残るが、ウンコは地面に付かず、
  残らず、つかみ取れる硬さ。 (地面に、残らない)
 
② ニオイが一定で少ない。 (臭いが、少ない)
 
③ 排便時に、お尻に残らない。 (糞切れが、良い)
 
④ 糞量は適切。その子サイズの太さ。 (体格に、あっている)
 
という四点になります。 これが前回のお話です。
 
2. 「軟便」と「下痢便」の差は? その境界線は? 
で、今回は「くだらない話?/くだる話?」の続版「くだる」方の話、つまり「軟便と下利便」との差、「その境界線を引け!」と言う事ですよね。 これは私にとって、「軟便ではなく難題」です。
私ども獣医師もこの「軟便」とか「下痢便」という言葉を、漠然と日々使っているのですが、さて「その境界線を文章で表現せよ!!」と言われると困ってしまいます。 
それでチョット失礼して、トイレに入ってウンと考えてみました。 そうしたら、「うん、この話でいこう!」と名案が出ました。
 
私のグループの病院群で、飼い主さんから「ウンコ」の状態を聴き取る時、使用している方法(うんこすこあ <ウンコ評価点表>)を、そのままあなたにお教えすれば良いのだと。

つまり、この話は文章で表現するには難しすぎるので、「誰でも判るように、写真で表現すれば良い」のです。 そういうわけで写真9枚組表を選びました。 これは、フードメーカー「ウォルサム」のイギリスのペット栄養学ウォルサムセンターの「ホーン博士」が発表されたもので、実際にその研究所でも「ウンコの評価点表(ウォルサム糞便スコアリングシステム)として、使用されているものです。 これをそのまま皆さまに紹介しておこうと思います。 これならば、誰でもが確実に「ウンコ」の状態を表現できると考えられる素晴らしい方法です。 そのまま利用することで、私ども獣医師と飼い主さんとの間に、表現のズレや認識のズレも無く、正確に状況表現伝達ができる客観的な方法と思いますので、そのまま写真表を掲載しておきます。(許可収得済み。)
驚くべきことに、ウォルサム研究所では「当社のペットフードを給与されたペットの健康状態と環境が最良であれば、すべてのペットの糞便スコアが1.5~2.5までの範囲内になる。」と表明しております。 私のように以前、「栄養学とフード配合設計」に実務的に関係した獣医師である私からすると、「すごい自信だ!!」と思います。 驚きです。  
皆さま方もぜひこの表を使って、毎日の「ウンコ」の評点を出していってください。 毎日カレンダーに数字を書いていっても面白いと思います。 
もちろん、最近(2019年)では「病院に来る前に、スマホで写真撮ってきて!」と言っていますが。
 
[結論]
1. 「軟便」とは、この「うんこすこあ」による「グレード3.0」と「グレード3.5」を言います。 このグレードのうんこが2日間続くようなら、病院に行くことも考える。
 
2. 「下利便」とは、この「うんこすこあ」による「グレード4.0」「グレード4.5」そして、「グレード5.0」の状況を言います。 すぐに病院に行くことを、お勧めいたします。 
 
3. この「うんこすこあ(うんこ評価点表)」は、犬にも猫にも使用できます。
 
4、 ちなみに「グレード1」は、治療が必要なレベルの「便秘」です。
 
3. 「うんこすこあ」<うんこ評価点表> と、その使い方。
[この表の使い方]
 
評価
	硬すぎる	良いうんこ	軟便	下痢便
評点
(グレード)	1.0	1.5~2.5	3.0~3.5	4.0~5.0

1. 評価判定は1~5段階で、各階0.5ポイントきざみで表現されています。
 
2. 病院に行った時やフードを変更した時に、「いつから」
   「グレード何番がグレード何番へ変化した」
   「グレード何番の便を1日何回した」と表現してください。


「うんこすこあ」<うんこ評価点表>
 


 
<グレード 1 >
(硬すぎるうんこ) 

硬く乾燥していて、
砕けやすい。
便秘です。
(病院に行くレベル)


 
<グレード 1.5 >
(やや硬めだが、良いうんこ)

硬く乾燥しているが、
柔らかさを多少感じる。
拾い上げても、地面に
湿気は残らない。

 
<グレード 2 >
(良いうんこ)

形がしっかりあり、
拾い上げても
痕跡は残らない。
蹴る事が出来る。

 
<グレード 2.5 >
(良いうんこ。ベストうんこ)

拾い上げると、地面が
わずかに湿潤する。
形がしっかりとあるが、
「触ると粘着性がある」。
全体がきれいにつかめる。

 
<グレード 3 >
(軟便 傾向にある)

うんこのチューブ形状は
保っているが、湿潤し形状
が失われつつある。
拾い上げると、うんこ跡が
地面に残る。
(軟便: 様子見るレベル) 

 
<グレード 3.5 >
(軟便は、ここまで)

非常に湿潤しているが、
ある程度のチューブ形状
は保たれている。
拾い上げると、うんこ跡が
しっかり地面に残る。
(2日続いたら病院に行く)

 
<グレード 4 >
(ここからは、下利便)

大部分は形を成さず、
硬度を欠き、粘性を示す。 
うんこのチューブ状が、
ほぼ無い。
一度には、つかみとれない。
(病院に行った方が良い)

 
<グレード 4.5 >
(下利便)

一部に硬さが残るが
明確な下利便。
取り切れず、水で流す
しかない。
(すぐ病院へ行く)

 
<グレード 5 >
(水様の下利便)

水様性下利便。
病気です、
(すぐ病院へ行く)    
 おわり